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HOME> 自己破産(破産に関するQ & A)

破産に関する Q & A

<自己破産の概要>

Q.自己破産はどんな制度ですか?
自己破産をすると,生活に必要なものを除外した財産は失いますが,裁判所によって支払不能と認められ,免責不許可事由もなければ,全ての債務の支払義務が免除されるので,債務整理の最後の手段ともいえます。

Q.債務整理の中で自己破産を選択できるのはどのような場合ですか?
自己破産の申立をするためには,「支払不能」であることが必要です。
「支払不能」とは,現在の収入・財産によっては,将来借金を返済することが著しく困難である状況を指します。
明確な基準はなく,ケースバイケースで判断されます。

Q.自己破産・免責は何度でも認められますか?
以前に自己破産を行っている場合,免責決定が確定した日から7年以内は,原則として免責は認められません。
以前の自己破産申立の際の債務発生の事情が,今回と全く異なる場合には,再度の免責許可の決定がなされる可能性もあり得ますが,あくまでも自己破産は1回限りの切り札と考えておくべきです。

Q.自己破産をすると借金はすべてなくなりますか?
自己破産をして免責決定が確定すれば,原則として全ての借金が法的になくなります。
ただし,税金や交通違反の罰金など,自己破産をしても例外的に免責されない債務もあります。

Q.自己破産には,どのような手続がありますか?
自己破産の手続には,同時廃止手続と管財手続の2つの手続があります。
自己破産は,債務者の財産を処分して債権者に分配する代わりに,足らない分は全て免除してもらう手続です。
債務者に不動産などの財産がある場合には,破産手続開始と同時に破産管財人が選任されて,財産と債務が確定され,財産の換価と債権者への配当が行われます。これが管財手続です。
しかし,多重債務者には通常換価できるだけの財産がないのが現状です。 この場合に財産を換価・配分する破産手続は必要なく,そのために破産管財人を選任する必要もありません。
そこでこの場合,免責手続を行うために,一応破産手続開始決定は行うものの,同時に以後の破産手続を廃止する決定を行い,免責手続だけを進めます。これが同時廃止手続です。

Q.同時廃止手続となるか,管財手続となるかはどのように判断されますか?
同時廃止手続となるか管財手続となるかは裁判所にもよりますが,大阪地方裁判所では,同時廃止事件として申立てた場合には,原則として同時廃止手続となります。

Q.同時廃止事件として申立てた場合,管財手続へ移行されることはありますか?
あります。
大阪地方裁判所では,管財手続への移行が検討されるのは以下の類型の場合ですが,この場合でも,管財手続とする必要があると認められるもの以外については,「同時廃止のための按分弁済」をすることによって,同時廃止手続とすることが認められています。
・個人事業型
申立人が個人事業を営んでいる場合です。ただし,個人事業者であっても,負債額,事業内容,営業していた時期及び期間,申立代理人による調査の状況,債権者の意向などによっては,同時廃止事件として進行することもあります。
・資産等調査型
破産に至る経緯や資産内容などに疑義があって,管財人の調査によって疑問点を解明しなければならない場合です。
特に,保証債務や住宅ローンを除いた債務が3000万円以上ある場合には,類型的に資産調査の必要があるとされています。
・否認対象行為調査型
一部の債権者のみを有利に扱うような返済(これを偏波弁済といいます。)があり,破産管財人が相手に対し返還を請求する必要がある場合です。
・法人代表者型・法人併存型
法人の代表者については,個人の財産と法人の財産の混同が生じやすいため,管財人の調査が必要となります。
・免責観察型
ギャンブルや浪費などのために借入をし,形式的に免責不許可事由が存在するような場合に,免責が相当かどうかを調査する必要がある場合がこれにあたります。
・不当利得型
過払金が発生しており,その回収のために管財手続とされる場合です。
過払金の額面額の合計が30万円未満の場合には過払金を回収する必要なく同時廃止ができますが,30万円以上の場合には,管財手続に移行するか,按分弁済をしない限り,過払金を申立人が回収する必要があります。
過払金を申立人が回収した場合,費用を差し引いた残額が20万円未満の場合には按分弁済の必要はありませんが,20万円以上100万円以下の場合には,按分弁済によって同時廃止手続が可能です。
残額が100万円を超える場合には管財手続に移行することになります。

Q.「同時廃止のための按分弁済」とはどんな手続ですか?
同時廃止手続を行うためには,破産手続開始決定時に,破産手続を進めるに足りるだけの財産がないと裁判所に認められる必要があります。
そこで,解約返戻金付の保険や自動車など,ある程度の財産を有するけれども,同時廃止手続のまま進めたい場合,これを債権額の割合に応じて債権者に平等に支払って財産を減らし,同時廃止として手続を進めることが認められています。
これを同時廃止のための按分弁済と呼びます。
実務上は,20万円以内の財産か否かが同時廃止と管財手続の基準の一つとされています。
そのため,20万円以上の財産を有するが,管財手続とするよりも,同時廃止手続で進めたい場合には,その価値に見合う金額を按分弁済することになります。
同時廃止事件とした上で按分弁済をするのか,原則どおり破産管財人を選任して自由財産の拡張手続をした上で破産手続を進めるのかは,その財産の種類や額等により,申立人の意向を考慮した上で,最終的には裁判所が判断します。

<自己破産の申立>

Q.自己破産は自分ひとりで申し立てることができますか?
自己破産を自分でひとりで申し立てることはできます。
ただしその場合,複雑な申立書類を自分で作成しなければならない上,裁判所との連絡も自分で行う必要があるため,お勧めはできません。

Q.自己破産を司法書士に依頼することはできますか?
司法書士には裁判所への提出書類を作成する権限がありますので,書類を作成してもらうことはできます。
しかし,司法書士は地方裁判所の代理権は有していませんので,自己破産を司法書士に依頼した場合,裁判所では本人申立として扱われることになります。

Q.自己破産を弁護士に依頼するのと司法書士に依頼するのでは,どのような違いがありますか?
地方裁判所へ申立を行う自己破産・民事再生では,司法書士は代理権を有せず,司法書士は書類作成のみを担当するので,申立は自分で行うことになります。
そのため,自己破産・民事再生の場合には,弁護士と司法書士のどちらに依頼するかによって大きな違いが出てくることになります。
例えば,弁護士が代理人となっている場合は,弁護士宛に書類が送達され,弁護士がすべての手続を代理するため,ご自分で裁判所に連絡したり,出頭する必要は原則としてありません。
これに対し,司法書士に依頼した場合には,本人申立として扱われるため,原則として書類は本人に送られ,本人が裁判所に連絡することになります。
同時廃止の按分弁済をする場合も,弁護士が代理人であれば破産手続開始決定を得て,免責決定が出るまでに按分弁済をすれば良いのに対し,司法書士に依頼した場合には,按分弁済が終わるまでは,そもそも破産手続の開始決定は出されませんので,そのぶん手続が長期化することになります。
また,管財手続の債権者集会においては,弁護士は代理人として出席できますが,司法書士は出席できないため,司法書士に依頼した場合には本人が単独で出席して裁判所・管財人・債権者に対応することになり,本人にとっては大きな負担となります。
さらに,弁護士が代理人となっている場合には,管財手続で裁判所へ支払う予納金は20万円で済みますが,司法書士に依頼した場合には,予納金は最低でも50万円以上となってしまいます。
この点は,本人にとって非常に大きな違いです。弁護士と司法書士に支払う報酬にさほど違いがない現状からすれば,弁護士に依頼することをお勧めします。

Q.自己破産をするのにどれくらいの費用がかかりますか?
裁判所にもよりますが,申立の印紙代や予納金だけなら数万円です(同時廃止の場合)。
ただし,債務者に財産がある場合は,管財手続となり,弁護士を代理人にすれば最低20万円,司法書士または自分で申立てをする場合には最低50万円程度の予納金が必要になります。

Q.・私は会社の代表者として会社の借金の保証もしていますが,法人と個人のどちらも破産する場合,両方を同時に申し立てた方がよいのですか?
大阪地方裁判所では,法人と代表者個人を同時に申立てた場合,一方の事件に財産がなければ,その事件の予納金は官報公告費用と郵券だけで手続ができます(法人併存型)。
そのため,代表者個人も法人と一緒に管財手続で申立てた方が費用の点で有利です。

<自己破産の手続>

Q.同時廃止手続の場合,手続が終了するまでどのくらいの時間がかかりますか?
同時廃止手続の場合,手続は申立をしてから4ヶ月程度で終了します。

Q.同時廃止手続の場合,何回くらい裁判所へ行く必要がありますか?
裁判所にもよりますが,大阪地方裁判所の場合,同時廃止手続は,決められた書式で申立書が作成され,債務額が1000万円を超える場合や,法人の代表者や個人事業者等,管財手続への移行が検討される事件でなければ,裁判官との面談(審尋と言います。)はなく,その日のうちに破産手続開始決定があり,同時に破産手続を終了します。 その後,借金を帳消しにする免責手続があり,裁判官と面接をするために原則として1回裁判所へ行く必要があります(これを免責審尋手続といいます。)。

Q.免責審尋とはどのような手続ですか?
免責審尋手続は,裁判官が申立人・代理人と面談をし,申立人の債務について免責が相当かどうかを裁判官が判断する手続です。
大阪地方裁判所では,免責不許可事由について特に問題がなければ免責審尋手続は実施されず,実施される場合も,原則として,複数の破産者を一つの部屋に集めて同時に行います。

Q.管財手続の場合,手続が終了するまでどのくらいの時間がかかりますか?
管財手続は,申立人に高価な財産や免責不許可事由がある場合等に,裁判所から選任された破産管財人が,財産の調査・換価や免責不許可事由の有無を調査する手続です。
管財手続は同時廃止手続に比べて手続が複雑になります。
財産の調査や換価に時間が係る場合もあり,一概にどのくらいの期間で手続が終了するかは言えませんが,6か月以上かかる場合が通常です。

Q.管財手続ではどのようなことをするのですか?
管財手続では,裁判所から破産管財人が選任され,財産や免責不許可事由を調査し,債権者集会で報告し,財産があればお金に換えて債権者に分配したり,免責の可否について裁判所に意見を述べたりします。
申立人は,破産管財人と面談するなどして,破産管財人の調査に協力しなければなりません。

Q.破産管財人との面接ではどのようなことを問われますか?
申立書類に基づき,借金の内容,時期,理由,収入・財産の内容,状況,債権者の意向,免責についての問題点等を破産管財人から問われます。
正直に答えて,破産管財人に協力することが必要です。

<免責手続>

Q.免責が認められると,全ての債務が免除されるのですか?
免責が認められると,税金・扶養費・不法行為に基づく損害賠償債務・罰金等を除いて,全ての債務の支払義務が免除されます。

Q.免責が認められない場合はありますか?
以下の免責不許可事由に当たる場合には,免責が認められないことがあります。
ただし免責不許可事由に該当するかは微妙なケースも多く,また仮に該当したとしても,免責が認められる場合もあります。
①自分や他人の利益を図っている場合。
②債権者を害する目的がある場合。
③特定の債権者に特別の利益を与える目的で担保を提供したり,弁済期前に弁済するなどした場合。
④債権者の不利益になるように破産財団(破産手続開始決定時に破産者が持っていた財産)を隠したり,わざと壊したり処分した場合。
⑤浪費やギャンブルのために借金したり,著しく財産を減少させたり,または過大な債務を負担した場合。
⑥株や先物投資のためにした借金。
⑦返済不能であることが明らかな事を隠してした借金。
⑧支払能力がないのに,信用取引により財産を得て,著しく不利な条件でこれを処分した場合。
⑨借金の額などについて偽証を行った場合。
⑩裁判所(裁判官)へ偽証を行った場合。
⑪免責申立の前7年以内に免責決定を受けている場合。
⑫破産法の定める破産者の義務に違反した場合。
⑬免責の審理期日に無断で欠席,または出席しても陳述を拒んだ場合。

<家族への影響>

Q.自己破産をした場合,家族や友人に知られてしまいますか?
自己破産手続をしても,裁判所が家族に連絡することはありません。
また,官報に氏名・住所が記載されますが,一般の方が官報を見ることは通常ありませんので,家族や友人に自己破産をしたことを知られることはあまりありません。
ただ,破産を申し立てる時には,家族の収入に関する資料を提出を要する場合もあります。
また,一度破産をすれば信用情報機関に登録されるため,7年ほど新たなローンを組めなくなりますから,家族や友人から理由を聞かれる場合もあるでしょう。
債権者からの通知等を見られるかもしれません。
自己破産をしたことを少なくとも家族には正直に伝えて,協力をお願いすることをお勧めします。

Q.自己破産をした場合,代わりに家族が返済しなければならないのですか?
家族が保証をしていない限り,家族が代わって返済する必要は全くありません。
仮に家族なので支払えと迫る業者があった場合,違法なヤミ金である可能性が高いといえます。

Q.自己破産をした場合,自己破産をしていない家族は今後も借入やローンを組むことができますか?
自己破産をした場合,信用情報機関には申立人の情報のみが事故情報として登録され,家族の情報は事故情報として登録されないので,家族が借入をしたりローンを組むことは基本的には問題ありません。

Q.自己破産をした場合,家族の財産は維持できますか?
自己破産をしても,その効果は申立人本人にしか及ばないため,基本的には家族の財産は処分されません。
ただし,財産が申立人本人のものであるかどうかは,実質的に判断されるため,仮に家族名義の財産であっても,実質的にみて本人の財産であれば,処分される場合もあります。

Q.自己破産をした場合,家族名義の預金は維持できますか?
自己破産をしても,その効果は申立人本人にしか及ばないため,原則として家族名義の預金は処分されません。
ただし,預金が申立人本人のものであるかどうかは,実質的に判断されるため,家族名義の預金であっても実質的にみて本人の預金であれば,処分される場合もあります。

Q.自己破産をした場合,子どもの学資保険は維持できますか?
本人の財産かどうかは単に名義だけにとどまらず実質的に判断されます。
学資保険は親が積み立てるため,実質的にみて親(本人)の財産であると判断される可能性が高いといえます。
ただし,処分されるのは学資保険の解約返戻金が20万円を超える場合であり,20万円以下の場合には学資保険は維持できます。
また,解約返戻金が20万円を超えたとしても,同時廃止のための按分弁済または管財手続で自由財産拡張の申立てをすることで解約を避けることができる場合もあります。

Q.家族に迷惑を掛けたくありません。離婚をしたほうが良いのでしょうか?
自己破産をしても,その効果はも申立人本人にしか及ばないため,家族が保証人になっていなければ,配偶者が自己破産により何らかの債務を負うことはなく,迷惑をかけないために離婚をする必要はありません。

Q.家族や友人からの借金だけ返済することはできますか?
自己破産の場合,たとえ家族や友人からの借金であっても他の債権者を差し置いて返済することはできません。
破産手続では他の債権者との公平が強く要請されるためです。
ただし,免責決定確定後であれば,返済の義務はなくなりますが返済すること自体は自由です。

<勤務先への影響>

Q.勤務先に知られずに自己破産はできますか?
勤務先が債権者でなければ相手方とはならず,裁判所が連絡することもありません。また,官報に申立人の氏名・住所が記載されますが,一般の方が官報を見ることは通常ありませんので,特に官報をチェックするような勤務先でない限り,知られることはあまりありません。
勤務先から借金をしている場合,勤務先に自己破産を知られるリスクを避ける方法としては,勤務先に対する借金を親族や友人等の第三者が本人の代わりに全額支払って,勤務先からの借金をなくすという方法が考えられます。
本人が他の債権者を差し置いて勤務先へ返済して破産するのは,偏頗弁済として免責が不許可になったり,場合によっては刑罰が科される可能性もありますので,注意してください。

Q.勤務先から借入をしていますが,勤務先も債権者として裁判所へ申告しなければいけませんか?
勤務先から借入をしている場合には,勤務先を債権者として裁判所へ申告する必要があります。一部の債権者を除外することは許されていません。

Q.勤務先に知られると退職しなければなりませんか?
勤務先は従業員が自己破産をしたことのみを理由に解雇することは原則としてできません。
従業員の解雇が許されるのは,解雇権の濫用に当たらないような相当の理由が認められる場合に限定されており,従業員が自己破産をしたことのみでは,通常,相当の理由に当たらないからです。

Q.自己破産をした場合,戸籍や住民票には自己破産の事実が記載されてしまいますか?
戸籍や住民票に自己破産の事実が記載されることはありません。
ただし,「官報」と本籍地の「破産者名簿」に自己破産の事実が記載されます。
もっとも,官報を読んでいる人はほとんどいませんし,破産者名簿を一般の人が勝手に見ることはできません。

<保証人への影響>

Q.自己破産をすると,保証人に迷惑がかかりますか?
自己破産により,申立人本人の債務が免責されても,自己破産の効果は申立人本人にしか及ばないため,保証人の債務は免責されません
。この場合,保証人に一括請求がされることになり,保証人側で代位弁済が困難な場合は,保証人についても任意整理・個人民事再生・自己破産などによる債務整理の準備を進める必要が出てきます。
自己破産の申立をする前に,保証人に事情を伝えておくべきです。

Q.保証人が分割で返済することはできますか?
債務に保証人が付いている場合,債務者本人が自己破産をすると,原則として保証人に一括請求がされることになります。
保証人が一括で返済できない場合には,分割の交渉をする必要があり,任意の交渉(任意整理)で合意が得られれば,分割で返済することができます。
しかし,合意が得られない場合には,保証人自身も自己破産や民事再生手続を検討する必要があります。

<財産への影響>

Q.自己破産をすると,全ての財産が処分されてしまいますか?
自己破産をすると,99万円以下の現金や家具等の生活必需品以外については,原則として,処分されることになります。
ただし,20万円以下の財産については,処分されることはあまりありません。
また管財手続の場合,自由財産拡張の申立てをすることで,一定の財産については,現金と合わせて99万円分まで維持することができます。

Q.自由財産拡張とはどのような制度ですか?
管財手続の場合に限り,①預貯金・積立金
②保険解約返戻金
③自動車
④敷金・保証金返還請求権
⑤退職金債権
⑥電話加入権
⑦過払金返還請求権については,現金と合わせて合計で99万円まで維持することができる制度です(大阪地方裁判所の場合)。

Q.自己破産をすると,99万円を超える財産を維持することはできませんか?
原則として維持できません。
ただし,99万円を超える部分に相当する現金を破産財団に組入れることで,実質的に財産の価格を99万円以下として維持することは可能です。

Q.自己破産をした場合,両親が自分名義で積み立ててくれた預金を維持することはできますか?
自己破産をした場合に処分される財産の範囲は,原則として申し立てた本人の財産に限られます。
ただし,預金が申立人本人のものであるかどうかは,実質的に判断されるため,ご両親が本人名義で積み立てた預金でも,実質的にみて本人の預金であれば,処分される場合もあります。

Q.自己破産すると,ローンが残っている商品は処分されてしまいますか?
自動車など,ローンで購入する商品には,所有権留保が設定されている場合が多く,この場合,完済されるまでは商品の所有権はローン会社にあります。
そのため,自己破産をすると通常は商品を引き揚げます。

Q.自己破産をした後で取得した財産や収入は,維持することはできますか?
自己破産手続は,申立時点の財産及び債務を清算する手続ですので,自己破産手続後に得た財産は自由に維持することができます。

Q.自己破産をすると,自動車は処分されてしまいますか?
自動車ローンが残っていない場合には,時価20万円超の自動車は,同時廃止のための按分弁済または管財手続で自由財産拡張の申立てをしない限り処分されてしまいます。
また自動車ローンが残っている場合には,自動車は,所有権留保により引き揚げられるのが通常です。

Q.これまでどおりにローンを支払っていく代わりに,自動車を維持することはできますか?
自己破産では債権者間の公平が強く要請されるため,支払不能状態になった後,特定の債権者のみに返済することは許されず,本人がこれまでどおり自動車ローンを支払っていくことはできません。
そのため,所有権留保が設定されている場合には,原則として自動車はローン会社に引き揚げられてしまいます。
ただし,第三者が本人の代わりに返済することは許されるため,ローン会社の同意が得られれば,第三者の返済によって自動車を維持することはできます。。

Q.自動車を処分する場合でも,これまで滞納した自動車税を支払う義務はありますか?
自動車税は,4月1日時点の自動車の所有者に課されます。
所有権留保により自動車の所有者がローン会社となっている場合でも,通常はローン会社との契約により,購入者が支払義務を負っています。
公租公課については自己破産をしても免責の対象とはなりませんので,自動車を処分するかどうかにかかわらず,滞納している自動車税の支払義務は残ることになります。

Q.自己破産をするとマイホームは手放さないといけないのでしょうか?
住宅ローンが残っている場合には,住宅ローン会社は住宅に抵当権などの担保権を設定しているので,自己破産の申立をすると,原則として抵当権者に住宅を処分・換価されてしまいます。
 また,住宅ローンが残っていない場合でも,住宅の価値が20万円を超えることは明らかなので処分の対象となります。
どうしても住宅を維持したい場合は,自己破産ではなく住宅資金特別条項を使った個人再生を検討すると良いでしょう。

Q.住宅を処分する方法にはどのようなものがありますか?
住宅を処分する方法には,公的機関である裁判所を利用して売却手続を行う競売と,担保権者の同意を得て所有者が不動産業者等の仲介により任意に売却する任意売却という手続があります。

Q.競売と任意売却の違いは何ですか?
任意売却と競売の違いは,裁判所を通して売却するかどうかです。
任意売却は裁判所を通さずに買主と任意に交渉して売却する手続ですので,交渉しだいでは,引越費用を受け取ることができる場合もありますし,競売よりも高く売れる傾向にあります。
他方,任意売却の場合は,買主が見つかれば基本的にはすぐに明渡しをすることになるので,一般的に競売に比べて明渡しまでの期間が短くなる傾向があります。

Q.住宅を所有したまま同時廃止手続はできますか?
同時廃止手続では高価な財産を所有することはできないので,住宅がある場合,通常は管財手続となります。
もっとも,住宅ローンの残額が住宅の固定資産評価額の1.5倍以上の場合には,先行して処分をしなくても同時廃止手続で自己破産をすることが可能です。

Q.住宅を夫婦の共有にしているのですが,その場合にも住宅は処分されてしまうのでしょうか?
住宅を共有している場合,申立人の共有持分は財産となりますので,処分の対象となります。
 申立人の共有持分が処分された場合,その買受人が共有物分割請求をすると住宅は競売にかけられることになりますので,住宅を維持しようとすると,共有持分を配偶者が買取ることが必要となります。

Q.住宅を処分する場合でも,滞納している固定資産税を支払う義務はありますか?
公租公課は免責されませんので,固定資産税を支払う義務はあります。
ただし,任意売却の場合は,売却以降の固定資産相当額を日割計算して,買主が売主(破産者)に支払うのが一般的です。

Q.マンションを処分する場合,管理費は支払う必要がありますか?
管理費は住宅を維持するための必要経費ですので,滞納されている管理費は売買代金の中で清算され,通常,破産者が支払う必要はありません。

Q.自己破産をした場合,借家に住み続けることはできますか?
自己破産をしても借家に住み続けることはできます。
以前は,破産すると賃貸借契約は解除されていましたが,住宅は生活の重要な基盤であることから,民法の改正により自己破産をしても貸主は賃貸借契約を解除することができないとされました。
ただし,何ヶ月も賃料を滞納している場合には,賃料不払いを理由に解除される可能性がありますので,解約されないために自己破産の手続中であっても賃料を支払わなければなりません。

Q.自己破産をした場合,滞納している賃料も免責されるのですか?
税金等の一部の非免責債務を除いて,全ての債務が免除されますので,滞納賃料も免除されます。
ただし,この場合,賃料不払いを理由に賃貸借契約を解除されるおそれがあります。

Q.自己破産をする場合,生命保険を解約せずに維持することはできますか?
生命保険に解約返戻金がある場合,その解約返戻金も申立人の財産とされますので,20万円を超える場合には,按分弁済をするか,管財手続で自由財産の拡張の申立をしない限り,生命保険を解約して解約返戻金を支払う必要があります。

Q.解約返戻金が20万円を超える場合に,どうすれば生命保険を解約せずに維持することができますか?
同時廃止手続の場合には按分弁済をすることで維持できます。
また管財手続の場合には自由財産拡張の申立てをすることで維持することが可能です。

Q.親が私に私名義の生命保険を掛けています。この場合,私が自己破産すると生命保険は処分されますか?親が私に私名義の生命保険を掛けています。この場合,私が自己破産すると生命保険は処分されますか?
解約返戻金が20万円を超える場合,それが申立人の財産であれば,原則として解約しなければなりません。
親が掛けた申立人名義の保険の解約返戻金が申立人の財産かどうかは,名義だけではなく,実質的に判断されます。

Q.自己破産の申立てをする前に退職して退職金が支払われました。自己破産をするとそのお金も処分されてしまいますか?
自己破産において99万円以上の現金は処分されますので,現在残っている退職金の金額が99万円を超える場合には,その超える金額は債権者へ配分されます。

Q.現在会社に勤務しており,退職する予定はありませんが,退職金見込額は処分の対象になりますか?
退職する予定のない申立人の退職金見込額も申立人の財産とされるため,退職金見込額の8分の1が20万円を超える場合,すなわち退職金見込額が160万円を超える場合には,退職金見込額の8分の1相当額を支払う必要があります。

Q.自己破産をしても携帯電話は使い続けることはできますか?
携帯電話もいまや生活必需品であり,自己破産手続中も携帯電話の料金を支払い続けている限り,自己破産をしても使い続けることができます。
もっとも,携帯電話会社は各社で情報を共有しており,通話料金を滞納して破産した場合には,再度の契約は他社も含めて難しくなります。

<自己破産による制限>

Q.自己破産をするとブラックリストに載ってしまいますか?
自己破産をすると,信用情報機関いわゆるブラックリストに事故情報として登録されます。
事故情報の登録期間は,各信用情報機関によって違いはあるものの,一般的には5~7年程度です。登録されると,新たな借入やカードの発行が難しくなります。

Q.自己破産をした場合,その後に自動車や住宅を購入することはできますか?
自己破産後に購入するものに制限はなく,自動車や住宅であっても購入できます。
ただし,信用情報機関に事故情報として登録されるため,ローンを組んで購入することは困難です。

Q.自己破産をした場合,引越はできますか?
自己破産を申立てる前や同時廃止手続の場合には,自由に引越しをすることができます。
ただし,管財手続の場合には,その手続中は裁判所の許可が必要です。

Q.自己破産をした場合,海外旅行に行けなくなるのでしょうか?
同時廃止手続であれば,海外旅行に行くことも可能です。
ただし,管財手続の場合には,免責決定がおりるまでは,裁判所の許可なく,居住地を長期間離れることはできません。

Q.自己破産をした場合,選挙権は制限されますか?
自己破産をしても選挙権が制限されることはありません。

Q.私は公務員ですが,自己破産をしても仕事を続けることはできますか?
自己破産をしても公務員の仕事を続けることはできます。
弁護士・税理士等の士業,宅地建物取引主任者,生命保険募集人,旅行業務取扱主任者,警備員等の一定の職業については,免責決定がでるまでの間は資格制限を受けるため,一時的に就けなくなりますが,通常の公務員の職種は制限されません。

Q.私は保険の代理店を経営していますが,自己破産をしても営業を続けることはできますか?
保険募集人は,自己破産をした場合,免責決定がでるまでの間は資格制限を受けるため,その手続中は活動することはできません。
手続終了後は再び保険募集人として活動するができます。

Q.私は会社で取締役をしていますが,自己破産をしても仕事を続けることはできますか?
会社法の改正により,自己破産の手続中でも取締役になることができるようになりました。
取締役が会社の連帯保証をしていたため会社とともに破産となった場合に,再起を図りやすくするためです。
ただし,破産は民法上の委任契約の終了原因なので,会社で取締役をしている方は,自己破産の申立後に再度会社から取締役に選任される必要があります。

Q.自己破産・免責は何度でも認められますか?
以前に自己破産を申立て,免責決定を得た方は,その免責決定が確定した日から7年間は,再度自己破産を申し立てても原則的に免責されません。
債務の原因等が全く異なる場合であれば再度免責される可能性もありますが,基本的には1回限りの手続と考えておくべきです。

<ヤミ金>

Q.自己破産が終わった後に,ヤミ金から連絡がきました。どのように対処すればよいですか?
自己破産をすると,一般の貸金業者から借入ができなくなります。
ヤミ金はそこに目をつけて,自己破産をした人をターゲットにするため,官報で自己破産者の氏名と住所を確認して,DMを発送してきます。
ヤミ金の金利は年利にすると数千%という違法な高利であり,一度借りてしまうと抜け出すことはできません。
ヤミ金からは絶対に借りてはいけません。
もし,ヤミ金から借りてしまい取立等を受けている場合には,すぐに弁護士に相談してください。

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